@article{oai:saigaku.repo.nii.ac.jp:02000065, author = {五十嵐, 淳子 and IGARASHI Junko}, journal = {埼玉学園大学紀要. 人間学部篇, Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities}, month = {Dec}, note = {本研究では、国際関係において階級社会と不条理に視点を置き、1848年に発刊されたエミリー・ブロンテ『嵐が丘』と1942年の第二次世界大戦下に発刊されたカミュの『異邦人』の作品に着目する。ヴィクトリア時代のリアリズムの全盛期において、エミリー・ブロンテは『嵐が丘』の作品を通じて何を伝えたかったのか、発刊した意義はどのようなことがあるのかを考察する。また、カミュの『異邦人』においては、20世紀の戦争と革命の激動の時代の中で、実存主義と表される世界における「不条理」に対して何を伝えたかったのか、どのような意義があったのかを考察する。 『嵐が丘』は愛情と復讐の中で、人間の卑劣な汚い部分も多く見られる小説であり、人々に受け入れ難い場面が多々ある。それぞれの登場人物からは人間のエゴが描かれており、復讐に執着する場面では震え上がる怖さがあり、想像を絶するような世代を超えた復讐劇が繰り広げられる部分が多く、解釈に戸惑うこともある。その一方で悲劇の恋愛とも読み取れる場面もある。さらに、人間の普遍的な部分と当時の時代背景を反映した部分が入り交じっていることも読み取れる。ヴィクトリア朝文学において、『嵐が丘』はリアリズムを象徴する意義があったと考える。カミュの『異邦人』が出版された1942年は第二次世界大戦下にあり、罪のない人々が殺され、何が善で何が悪かがわからなくなっている状況から、まさに「不条理」が避けられない世界であったことがわかる。国際社会において20世紀は二つの世界大戦が勃発し、常に苦悩や不安に晒されていた時代でもあったが、自分の死を直面せざるを得ない状況に置かれても、幸福を感じることができること、そして、人間はどんなに絶望に駆られていても、生きるという希望もあることをカミュは『異邦人』の物語を通して、人々に伝えたかったのではないかと考える。}, pages = {173--180}, title = {国際関係におけるリアリズムと実存主義の一考察 : 階級社会と不条理に着目して}, volume = {23}, year = {2023}, yomi = {イガラシ, ジュンコ} }